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開発援助事業
1 インド・山岳民族のノンフォーマル教育プログラム
インド最貧州のひとつであるオリッサ州で、山岳少数民族のドンゴリア・コンドを支援しています。
ドンゴリア・コンドは、インド・オリッサ州に住む人口約100万人の少数山岳民族で、竪穴式住居に住み、独自の言葉であるクイ語(文字がない)を話します。宗教も独自のアニミズムで、一般のインド社会との接触も少なく、民族学的にも興味深いと言われています。
山の中を転々と移動しながら原始的な焼き畑農業を行い、手製のやりや弓で狩りをします。生活状況は非常に厳しく、プロジェクトのターゲット地域では、プロジェクトが始まる前は識字率はほとんどゼロ、平均寿命は三十歳代で、5人に1人が五歳まで生きられないという状態でした。
公立の小学校は遠く、しかも子どもたちも働き手なので、ほとんどの子どもが小学校にも行っていません。しかし、新しい情報を得たり、州政府からの予防接種の手紙を読んだり、市場で商人と交渉したりという様々な場面で、読み書きや計算は必須です。
草の根援助運動は、現地NGOであるニュー・ホープと組んで、18の村を選んでKビレッジと名付け、オリッサ州の公用語であるオリヤ語の識字教育を行なってきました。当初は女性たちをターゲットにしましたが、オリヤ語の文字は難しくてなかなか進まず、女性たちの願いにより子どもにターゲットを変えました。
オリヤ語のアルファベットの取得と単語作りとその理解、日常会話や通常の読み書き能力の取得を進めています。数の数え方、数字の識別の獲得を目標にしています。講義に参加した子供たちは、教育に関心を示し教材の図書、カレンダーに興味を示しています。
教員の確保が難しいため、各村から選んだ若者をトレーニングセンターで集中的にトレーニングして青年教員とし、その青年教員たちが各村で初等教育を行います。あわせて各村で実施する昼間および夜間のノンフォーマル教育に子供を参加させるための親達への説得活動を、各村ごとに行います。親達は、教育の重要性を理解しはじめ、公式・非公式の教育に子供たちを参加させるようになってきました。
このプロジェクトが始まって5年、すでに1000人を超える子供たちが初歩の読み書きや算数を学び、そのうち90人の子供たちは、教育の重要性を理解した親が州政府の寄宿学校に入学させてきました。その結果、対象の村での識字率は25%を越えるようになりました。
このプロジェクトは、神奈川県高等学校教職員組合と草の根援助運動の「むらびとクラブ」資金によって進められています。
2 インド・最貧困層の女性たちへの保健衛生プロジェクト
1のノンフォーマル教育プロジェクトを実施しているKビレッジにP2ビレッジと名付けた16村を加えた34の村で、女性たちを対象に、妊娠・出産時の注意事項や予防接種の必要性、病気や薬について理解を深める各種の研修を実施しています。
村を巡回するスタッフが年4回、村でのミーティングを実施。薬草の利用や各村に設置してある救急箱の薬品の補充などを行います。また、各村の若手女性2人を村での健康教育を担ってもらうコミュニケーターに選び、センターでの研修を行なっています。
2007年度はそれに加えて各村6人の女性たちに研修を行いました。また、34の村の妊産婦の全員が、このプロジェクトによる定期検診を受けました。村での出産時は必ず産婆が付き添い、用意した出産キットを使用した。さらに、検診で異常を認められた妊婦は病院で出産しました。これにより、2007年度は妊産婦の死亡がゼロという画期的な結果となりました。
子供については、新生児の全員が登録し定期健診を受けました。母親の理解度も高くなり、予防接種率は99%になっています。乳児死亡率はかつての1,000人中200人から現在の90人へとかなり低くなりました。
このプロジェクトは、全国女性退職教職員の会からの資金を得ています。
3 インドネシア・農村女性と子どもの権利強化のためのプログラム
インドネシアの古都・ジョグジャカルタ近郊スンダン村は山間部の村で、土地が悪く農業だけでは十分な生計が立てられません。そこで多くの家では男性が出稼ぎに出て生活費を稼いでいます。経済的な余裕のなさから女性や子どもの人権が軽視される風潮があって、ドメスティックバイオレンスや子どもに対する性的暴力が多く起こっています。
2006年度、草の根援助運動は、その対策の一環として、ヘンケルジャパン株式会社の資金を得て子どもセンターを建設しました。
子どもセンターの完成にともなって、ボールを使ったゲームやパントマイム、絵本の読み聞かせなどの子どもを対象とした活動が開始されました。また、専門家を講師として、子どもの人権や女性と権利に関する研修も行っています。
さらに農業に関する学習も、子どもセンターを会場にして行っています。これまでは出稼ぎに頼るためにとかく農業を軽視する傾向がありましたが、有機農法に関する研修などが行われて農民の意識が高まっています。
また農民からの要望で農道を建設することになり、現地パートナーNGOであるLKP2の計画の下、農民の共同作業により幅1.5m長さ300mの砕石舗装の農道も完成しました。
4 フィリピン・児童労働削減のための奨学金プロジェクト
フィリピンには今でも、いわゆる児童労働をさせられている子どもたちが300万人以上いると言われています。
草の根援助運動は、2003年、その中でも児童労働者が多いとされるビコール地方の3州で、全国退職女性教職員の会からの支援により、児童労働削減プロジェクトを始めました。
ビコール地方は金鉱掘りが盛んなところです。ロープで細い縦穴を降り、5メートルから10メートル下がったところで横穴に移り掘り進むという小規模なものがほとんどです。体の小さな子どもの方が動きやすいので、ロープを大人が操作して子どもが降りるという家族ぐるみの金鉱掘りが多く、手伝っているうちに学校に行く機会を逃してしまうという子どもが多いのが特徴です。
奨学金で助けられる子どもの数は限られるため、2003年のプロジェクトスタート時には資金の半分を反児童労働キャンペーンに使うこととして、ポスターやリーフレットの作成、ラジオ番組の放送などを組み込みました。
一方各地区から選ばれた奨学生30名には、奨学金の給付だけでなく、フィリピン人学生ボランティアによる支援チームが月に2回程度の面談をしてサポートしてきました。その結果2007年には27名が、ハイスクールを立派な成績で卒業することができました。卒業できなかった3名のうち2名も、引き続き学校に通っています。
2007年度には、そのフォローアップとして、専門学校等に行きたい子ども9名に対し引き続き奨学金を支給しています。奨学生たちは環境保護活動に参加したり、その両親と共に児童労働削減に関する運動に参加したりするなど意識も高く、大きな成果が上がっています。
5 フィリピン・環境回復を柱とするマニラ湾沿岸漁民の生活向上プロジェクト
マングローブ植林・漁業禁止区域(サンクチュアリ)の設置・代替的な生活手段の確保・不法漁法や禁止区域での操業に対するパトロールなど、一連のプログラムによりマニラ湾の環境を守るプロジェクトです。
草の根援助運動は2003年まで実施しました。その時に活躍した漁民組織が今も健在で、コミュニティによっては行政の支援を受けてパトロールを継続したり、マングローブの継続植林をしたりと活動を続けています。
一方で活動が停滞しているコミュニティも多く、プロジェクトの再実施が望まれています。
草の根援助運動は、外務省資金を使って活動を再開する方向で、今計画しているところです。
6 フィリピン・「ジェンダーと開発(GAD)」主流化による女性のエンパワーメント
草の根援助運動は、フィリピン各地でさまざまな総合開発プログラムを進めてきましたが、どこの地域でも女性に対する差別意識という問題につきあたります。フィリピンは大統領をはじめとして女性の社会進出が強い国ですが、それでも地方に行くと根深い差別があるのです。
その根本に関わる部分を取り出して意識改革を行おうというのがこのプロジェクトです。
全国退職女性教職員の会の資金によって、2006年からの3年間、調査と分析、その分析に基づいた地域開発計画の策定、トレーニングなどを進めてきました。また、全国女性組織連合(13州4,000名)の組織強化もしています。2007年の総選挙では、このプロジェクトを担ってきた女性たちが、各地で村の評議員に選出されています。
2008年には、女性による小規模事業の原資を提供するジェンダー基金を設立しようと計画しているところです。
※本プロジェクトについては、2007年にアーユス仏教国際協力ネットワーク資金を得て「参加型評価分析」を実施しました。全40ページの報告書を300円(送料別)にてお分けします。事務所までメールまたは電話でお申し込みください。
7 フィリピン・若者のための生と性教育プロジェクト
フィリピン社会で、ジェンダーの問題とともに大きな問題となるのが若者の性の問題です。学校や日常生活の中で性について学んだり話し合ったりする機会がほとんどなく、問題はどんどん深くなってしまいます。望まない妊娠や早婚、性感染症リスクなど社会開発や人間開発の妨げとなる問題も、根源には同じ問題が横たわっています。
このプロジェクトは、全国15地域のユース組織PRRYA(フィリピン農村債権若者同盟)のメンバーに対して人生と性について学ぶ機会を提供し、そのメンバーが地域のリーダーとして育っていくのを助けようというものです。
内容は、リーダーを育てるファシリテータートレーニング、ニュースレターやケーススタディ集の出版の二本立てで、基本的な運営はPRRYAに任されています。
2007年度は、ケソン州、ネグロスオキシデンタル州、ヌエバビスカヤ州の3州において、総計73名の高校生と大学生を対象にワークショップを行いました。
このプロジェクトは2006年から2009年まで、山形女性退職者教職員の会が支援しています。

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