Ⅰ.海外プロジェクト

<開発援助>

1.インド ドンゴリア・コンドの識字教育および公立学校への就学促進プロジェクト

資金    神奈川県高等学校教職員組合
地域    オリッサ州ラダヤガ県ムニグダ、P2ビレッジ・Kビレッジ(34ケ村)

2000年に始まって以来、途中数年中断したものの今も続いている息の長いプロジェクトです。

貧困地域であるオリッサ州の山中に住む先住民族ドンゴリア・コンドの人々は、当時は学校に通う子どもは皆無で、識字率がゼロに近い状態でした。そこで始めたのが、週に2回、各村で夜だけ開く識字教室です。教室の先生は、村で選抜した意欲ある青年。センターに集めて1週間ほどの訓練をしたあと、村に戻って子どもたちに読み書きを教えてもらいます。

長く続けてきた結果、今では多くの村人が最低限の読み書きはできるようになり、生活も向上しました。多くの親たちが教育の大切さを理解し、町の小学校に子どもを通わせるケースも増えてきましたが、小学校は通学圏内にはないためそこまでは踏み切れない村人も多く、今も識字教育は子どもたちの大切なプロジェクトとなっています。

今年度は新たな候補生を含めて27人が先生役となり、センターでの訓練を受けては村で指導する、識字教育が進んでいます。

2.インド ドンゴリア・コンドの保健衛生プロジェクト

資金    全国退職女性教職員の会
地域    オリッサ州ラヤガダ県ムニグダ P2・Kビレッジとその周辺55村
1996年のインド支援当初からのプロジェクトで、妊婦、新生児、乳幼児の死亡率の減少、日常的な軽い怪我や病気の対処方法の改善、保健ワーカーの村への定期的訪問を主に実施してきた。2014年からはプロジェクト対象者に対する栄養補給を目的として鶏の飼育を開始し、本年度は栄養補給食の配布を実施した。その結果出産後の妊婦・出産児の死亡率を7%台まで減少させることができた。

安全な出産と死亡率の削減を目指してきた、20年以上続く大事なプロジェクトです。2014年には妊婦と結婚間近な女性に対する栄養補給事業も始めました。今年度はその中でも栄養失調の妊婦に重点を置いて、さらなる栄養補給食を配布するよう改善しています。

また、出産のマニュアルを作成して、難産が予想される場合には公立病院に緊急入院させるなど、村から選抜する保健担当者(コーディネーター)がスムーズに動ける体制を作りました。破傷風やコレラなどの6つの病気の予防接種に関しては、接種率100%の実施率を達成しています。

これらの活動によって、かつては20%を超えていた妊婦・新生児の死亡率7%台を達成しています。

 

    3.フィリピン アクラン州女性の自立支援プロジェクト

この地域は2013年末の巨大台風ヨランダによって大きな被害を受けました。住宅供給などのプロジェクトを行いましたが、現在も貧困家庭が多く、日々の食べものにも困ることがあるといいます。このアクラン州イバハイ町で、住民組織を立ち上げ、参加メンバーに対する農業を主とした支援プロジェクトを開始しました。現在は9種類の野菜の栽培と販売、家畜の飼育と販売のために、種や子牛・子豚の購入と配布を実施しています。

しかしながら、モデル農場として進めてきた農場は、2017年末の台風によってその半分程が流されてしまいました。今後の被害を軽減するために、コンクリートの壁を造ることを組織として行政に依頼しているところです。

 

4.フィリピン 「ジェンダーと開発(GAD)」主流化による女性のエンパワーメント

資金 山形県退職女性教職員の会、WE21ジャパンかなざわ

フィリピン各州で自立のためのプロジェクトを実施している女性組織ダルヨンに対して、組織支援を行っています。

各州の組織は、それぞれ女性の権利の擁護から、生計手段確保のための養豚、ココナツオイル生産、ジンジャー生産、魚加工などのプロジェクトを検討・実施しています。現在はプロジェクト自体には資金提供はしていませんが、次年度に向けて、女性自立支援の拡大も検討しています。

5.フィリピン・東サマール州小規模生計支援プロジェクト

資金 連合愛のカンパ
地域 サマール島東部ギポーロス市ギゴソ村・バランギーガ市バッカオ村・キナポンダン市サントニーニョ村

台風ヨランダ被災者に対する復興支援をきっかけとして、各村で漁民組織や女性組織が立ち上がりました。それぞれの組織は現在、養豚、魚加工、海藻生産などの生計向上プログラムを継続しています。各組織は自立的に運営を行えるようになり、本年度は現地からの支援要請もありませんでした。そこで資金提供は行わず、女性たちの自助自立の活動を見守っているところです。

6.フィリピン・東サマール州教育プロジェクト

フィリピンの子どもたちへの教育に使ってほしいとの故中村喜久氏の遺贈を受けて、201712月に奨学金支援プロジェクトを開始しました。対象とした東サマール州は、2014年の台風被災者支援以来支援を続けてきたところで、フィリピンでも貧困とされる地域です。

識字率が高く、96%が小学校に入学するフィリピンではありますが、日本の中学校にあたるハイスクール修了後に勉強を続けるのはかなりむずかしいのが現状です。その先の勉強や職業訓練を受けられるように、学費・交通費・食費・学用品費を提供することになりました。4名の生徒への支援を開始し、2018年度中には10人にまで増やす予定です。

永く小学校の先生を務めてこられた中村先生のご遺志がここで花開くことを期待しています。

 

Ⅱ国内事業

<開発教育>

1.よこはま国際フォーラム 

横浜NGOネットワークがJICA横浜で開催する「よこはま国際フォーラム」に参加。草の根援助運動オリジナルのワークショップ「24人にインタビュー」を実施し、途上国の貧困問題や開発援助について考えました。

高校生から70代の方まで幅広い年齢層の参加があり、議論がかみ合わない場面やユニークな質問などもありましたが、参加者全員が熱心にワークショップに取り組み、開発援助活動について理解を深めることができました。

3.かながわ人権センター主催 人権学校

 相互連携関係にあるNPO「神奈川人権センター」主催の人権学校にて、ワークショップ「24人にインタビュー」を実施し、持続可能な開発目標SDGsについて講義をしました。

県内自治体の人権や教育担当者が多く参加するこの人権学校ですが、多くはこんなワークショップは未経験。日ごろから政策立案や実施に取り組んでいる方々だけに、あれこれ議論しながら、とても熱心に取り組んでいただけました。

4.鎌倉女学院高校国際セミナー

鎌倉女学院高校の宿泊セミナーの中で、高校1年生20人を対象としてワークショップ「24人にインタビュー」を2回実施しました。

中高一貫校として中学校から国際理解についての勉強をしてきた生徒たちは、その一つの集大成でもある宿泊セミナーに、真剣な面持ちで臨みます。問題点をよく理解し、議論し、さらなる学びへとつながりました。

5.神奈川中央メーデー・よこはま国際フェスタ

毎年恒例の2つのイベントに参加して、フェアトレード品などを販売しながら現地の事情やプロジェクトを紹介しました。

よこはま国際フェスタでは、インドネシアの木彫りが例年以上に好評で、持ち込んだものすべてを完売しました。

 

6.アグスカフェ

かつて草の根援助運動の現地連絡員を務めたインドネシア人ジャーナリスト、故アグス・ムリアワンの足跡をたどる企画です。

ゴールデンウィークに鎌倉で実施する「鎌倉路地フェスタ」に参加し、市内の運営委員宅にて、写真を展示し、アグスゆかりの東ティモールコーヒーなどのフェアトレード品の販売を行いました。来場者にはコーヒーをサービスし、東ティモール独立前後の状況についての写真について運営委員がお話をさせていただきました。

7.ニュースレター発行

ニュースレター「ぴいぷる2」のNo78、No79を発行しました。写真を多く用いて、見やすく読みやすい紙面づくりを心掛けました。

7.インターネット広報事業

ホームページの更新をスムーズに行える体制を作り、継続的な更新に努めました。

8.ネットワーク活動

横浜NGOネットワーク(横浜NGO連絡会から名称変更)

NGOスタッフや一般向けの各種セミナーを開催し、「よこはま国際フェスタ」「よこはま国際フォーラム」の運営を担う組織の副理事長に草の根援助運動事務局長小野行雄が就任。草の根援助運動として活動を支えています。

神奈川人権センター

協力関係を保ち、主催する「人権学校」に講師を派遣しています。

かながわ憲法フォーラム

52日憲法集会、113日県民集会それぞれに、草の根援助運動スタッフが参加しました。

9.政策提言活動

  1. 政策提言活動を行なう以下のネットワークに加盟しているが今年度は活動への積極的な参加はできなかった。
    ODA改革ネットワーク、動く→動かす、NGO非戦ネットワーク

会計報告

2017年度 貸借対照表

収入

合計(円)

1.会費収入

648,478

運営委員会費収入
156,000
サポータ会員収入
472,000
P2カード会員収入 
20,478

2.寄附金収入

18,402,627

   運営資金収入
371,520
   援助金収入
16,899,460
   一般援助金収入
34,000
   プロジェクト援助金収入
1,907,647

3.事業収入

146,150

開発教育関連事業収入

146,150

4.雑収入

85

受取利息
85
当期収入合計

19,197,340

支出

合計(円)

1.プロジェクト支出

5,217,818

インド識字教育
909,998
インド保健教育
640,000
フィリピンGAD拡大
      712,012
フィリピンアクラン州生活向上
655,099
フィリピン東サマール州教育
2,300,709
2開発教育事業

46,037

3広報活動

117,400

4政策提言

168,000

5管理費

586,718

謝礼(業務委託費)
133,696
旅費交通費
60,477
通信運搬費
70,392
消耗什器備品費
780
消耗品費
37,694
印刷製本費
40,817
水道光熱費
36,252
支払地代家賃
204,000
支払手数料
2,160
租税公課
450

当期支出合計

6,135,973

当期増減額

13,061,367

前期繰越額

5,848,167

次期繰越額

18,909,534