台風の通った道筋の北西にあたる、パナイ島アクラン州バレテ町とカピス州ピラール町は、未だに満足な支援が届いておらず、野宿状態の人々が多くいます。
限られた資金の中で、出来る限り必要な人々に必要な物資を届けるにはどうしたらいいか。
現地NGO・PRRMは、現地の自治体関係部署、地域の村の役員、国連関係団体職員らと連絡をとりながら、次のような基準で支援すべき家を選定しました。
- 全壊した家
- 低所得
- 別地域の親族からの支援が期待できない
- 他団体からの支援を受けていない
その中でも、女性だけの家、病気や障害を持った家族を抱えている家、高齢者・2歳未満幼児を抱えた家、あるいは15歳未満の子どもを四人以上抱えている家を優先することにしました。
カピス州ロハス市内の村に設置した支援本部に購入した物資を搬入し、現地ボランティアの応援を得て、物資をパッキングしていきます。
シェルターをつくるための材料として、大きな箱に、次のものを入れました。
- ハンマー、プライヤ-、ペンチ
- 釘2キロ
- 防水塗料1キロ
- 針金500グラム
- ソーラーランプ1
- 防水シート1
- 防虫ネット2
これに現地にある木材を組み合わせれば、なんとか雨風をしのぐ仮設住居はできるはずです。
おりからの雨の中、大型トラック7台にこのシェルターキットを積み込み。ドイツのNGO・WWHからパドマーク、マニラから飛んだ、PRRM代表のイサガニ・セラノ、副代表マーロン・パロモも加わりました。
あらかじめ知らせてあったピラール町の6ヶ所でキットを配付。22ヶ村から集まった2,500家族が、満面の笑みを浮かべながら、次々にキットを受け取りました。それぞれの家族は、コミュニティの人々の助けも借りて、ようやく雨露をしのぐ家を建てられるようになりました。
翌日には、バレテ町でも2,500家族に配付。あわせて5,000家族にシェルターキットを届けました。