厚いハッチは、コンクリートで固められたドームの外側。奥にもまた、同じようなハッチドアがあります。
密閉された原子炉内側から外側を見る。原子炉内部に開かれた唯一のドアです。もちろん稼働していたら決して入れない場所ですが、ここは商用稼働は一度もしたことのない原発なので、大丈夫。
燃料も90年代には撤去されてしまいました。シーメンス社が安く買い取っていった、と担当者は悔しそうにつぶやきました。
見上げると、ドーム構造がよく分かります。
見学者用と思われる解説ボード。左端の赤いところが原子炉。今いるところです。
その右上にあるのが加圧器。
真ん中の蒸気発生器のところで、左側の水蒸気のループと右側のタービンを回すループが分かれているので、加圧水型原子炉であることが分かります。
もともとこの原発を造ったのは、アメリカのウェスティンハウス社。現在も韓国で稼働中のKori-1,2と同じ型だそうです。
このウェスティンハウス社は、当時のマルコス政権との裏取引が疑われています。
エドサ革命後、アキノ政権下のフィリピン政府は契約破棄をしようとしましたが果たせず、2007年まで支払いを続けました。
中央のクレーンの下に見えていた燃料制御棒。40年前の設計なので、今のものと比べるとずいぶんまばらです。
稼働の際は、この上側に燃料格納容器が設置されるのだと思われます。