不法なダイナマイト漁
ダイナマイト漁は、海の中に小型の爆発物を投げこんで、浮かび上がってきた魚を獲る違法な漁です。
日本軍が手榴弾で魚を獲っていたことから始まったという説や、アメリカ軍の爆弾をもらってきて始めたという説などいろいろあるのですが、マニラ湾では、農薬と灯油を混ぜてガラス瓶に詰めて火を付けるという方法で広まっています。
もちろん法的には禁止されているのですが、手製爆弾は100円ぐらいで作れて簡単なので、今でもかなり行われています。
海の自警団
それを取り締まるのは、バンタイダガットと呼ばれる、海の自警団です。法的な根拠もあり、3日ほどの講習を受けて逮捕権も授与されます。漁師たちはボランティアでこの自警団を組織して、海の環境を守るのです。
バンタイダガットが取り締まるのは、ダイナマイト漁だけではありません。
これも沿岸資源プロジェクトで設置する禁漁区に入りこんでくる漁師や、マニラ湾内では操業が禁止されている大型漁船の漁も監視します。
不法漁を行う漁師たちも、生活のためにやむを得ずやっているのが実態です。しかし時には、武装し高速船でやってくる不届き者もいます。そういう時には、沿岸警備隊や警察の力を借りることもあります。
草の根援助運動の支援
草の根援助運動は、こうした漁師たちの自主的なパトロールを、ボートを支援したり、燃料を供給したりすることで支えてきました。草の根援助運動と地域のバンタイダガットの活動は、市長にも認められて感謝状を授与されました。