去る2月21日~25日、「全国退女教(退職女性教職員の会)フィリピンスタディツアー2018」が、退女教13名、草の根援助運動のスタッフ3名の参加で実施されました。退女教の支援先バターン州オリオン町バヤンバヤナン村の「山岳民族・井戸プロジェクト」の視察及びアエタ小学校訪問、「GAD(開発と女性)プロジェクト」に取り組む女性組織との交流が目的の旅でしたが、同時に州内3か所の戦争博物館巡りで「バターン死の行進」と第二次世界大戦に向き合う貴重な平和学習の旅でもありました。

例年以上に厳しい寒さの日本から常夏のフィリピンへ。色鮮やかなブーゲンビリアや真っ白なプルメリアが私たちを迎えてくれました。林立する高層ビル。参加者からは「フィリピンのイメージが違った」との声があがりました。翌朝になってホテルの窓から最初に見たのは隣り合って広がるスラム。フィリピンの格差社会を知るのはいとも簡単なことでした。

最初の訪問先は草の根援助運動のパートナーNGO、フィリピン農村再建運動(PRRM)。

PRRMオフィスにてイサガニ・セラノ代表から活動の歴史、現在の取り組み、フィリピンの社会、経済、貧困、課題などについての話を聞きました。

 

 

 

 

草の根援助運動の小さな支援の積み重ねがPRRMのあきらめない活動の一端を担っているのなら喜ばしいことです。草の根援助運動はPRRMのもっとも長いパートナーになったとのこと。退女教をはじめ草の根援助運動のドナー団体、個人の方々にあらためて感謝です。

今回の旅の目的である退女教の支援先視察。マニラから車で4時間のバターン州オリオン町へ、山間部にあるアエタ族の村の小学校脇に設置された井戸を視察。ここでは水汲み労働が時間と体力の両面で子どもの教育の機会を奪っていました。退女教の支援は井戸プロジェクトとして取り組まれましたが、その成果は子どもたちに教育の機会を与え、村人の生活支援となりました。小学校では児童たちが歌とダンスで退女教一行を歓迎。退女教の皆さんも「♪幸せなら手をたたこう」でお返し。楽しい交流のひと時を過ごしました。井戸水はモーターでタンクにあげられ長いホースで村中に届けられています。このプロジェクトは「はじめの一歩」となり、オリオン町が大型タンクを追加設置するところとなりました。

 

 

少数山岳民族アエタ族の子どもたちが通う EVA AETA小学校の教員
この他に男性教員が1名。皆若く意欲的。アエタ族はルソン島の山岳地帯に住む先住民族。ピナツボ火山の噴火により 平地近くの山で生活するようになった。井戸の設置は遠く離れた川への水汲仕事から子どもたちを解放し、学校で学ぶ時間の確保を実現しました。

 

 

今回のツアーは本来の目的に加えて「バターン死の行進」を通して第二次世界大戦に向き合う旅となりました。サマット山・戦争博物館、新設の戦争博物館、観光センターの3か所で「バターン死の行進」、日本軍の侵攻がフィリピン人にとっていかに重い歴史であったかがよくわかりました。

退女教の皆さまには病気、ケガ、盗難等のトラブルとは無縁の、学び、楽しみに満ちた有意義なツアーとなりましたら幸いです。ご参加いただきました皆さまに感謝致します。