神奈川新聞 20140513 朝刊 民際基金助成事業

昨年11月の台風30号で甚大な被害を受けたフィリピンの漁村の復興支援のため、横浜市磯子区のNPO法人「草の根援助運動」(石塚章理事長)は漁船を無償で提供する活動に取り組んでいる。漁船のほぼすべてを流失し、生計の手段をなくした漁民に25隻を6月後半にも提供。「秋以降に追加提供も考えている。多くの人の協力を得たい」と寄付を募っている。

現地NGO「フィリピン農村再建運動」と共同で支援に入っているのは、フィリピン中部サマール島のバッカオ村とギゴソ村。

それぞれ約550人、約1200人を数える村民の8割が漁業、残りはココナツ栽培で生計を立てていた。漁師たちはバンカーと呼ばれる全長約7メートル、3~5人乗りの木製小型漁船で漁をしていたが、台風30号の強風と高潮によって計133隻のうち残ったのは3隻。ヤシの木も全滅状態となった。

政府や国連機関、国際NGOの援助を受けてきたが、草の根援助運動事務局長の小野行雄さんは「被災から半年近くがたち、援助も終了していっている。生計手段の確保が課題」と話す。

計画では、エンジン付きバンカーと漁具のセット(計約9万円)25組を提供。新たに漁民組織を立ち上げ、順番に利用してもらう。

漁民の組織化は資源の管理、住民自治の強化にもつながるとして、支援は現地に事務所と地元スタッフを置くなどの組織づくりから行っている。女性向け小規模ビジネスの支援も検討している。

9月末までの資金約377万円はかながわ民際協力基金からの助成のほか、かながわ復興支援ネットワーク、県高等学校教職員組合、WE21ジャパン、県民の寄付などで賄った。10月以降分はあらためて資金を集める計画で、漁船の追加提供に向け県民の協力を呼び掛けている。

計画への問い合わせは、草の根援助運動電話045(758)0910。

【神奈川新聞】